ザッキーナです。
前回の記事では自作アンプ製作(Champ 5F1 クローン)の概要を紹介しました。
今回は苦労した点、代替え部品、製作コストについて記載します。
自作される方の参考になれば幸いです。
苦労した点1(部品調達)
まず、苦労した点は部品調達。
下記の部品を購入する必要があります。
私のよく行く電子部品屋さんは真空管、真空管用トランスは取り扱っていないため
ネットで注文しました。
上記表、赤矢印の部品を店舗で購入しました。
部品購入で気をつけるべきポイント
- 抵抗器の抵抗値、耐圧値はよく確認する
- コンデンサ(電解含む)静電容量と耐圧値をよく確認する
- シャシーは厚さが薄いものを選ぶ
- ランプ、ヒューズフォルダー、ノブは好みで選ぶ
- 配線は耐圧450V以上あれば良い
耐圧値は指定電圧以上の物を選んでください。
低いものを選ぶと燃えたり、爆発する危険性があります。
シャシーは厚さが薄いものを選ぶと加工が楽です。
ランプ、ヒューズフォルダ、ノブは種類が豊富なので好きなものを選んで下さい。
但し、指定電圧の物を選定下さい。
このアンプは電圧の高い所で約400Vの電圧がかかっています。
トランスや他の部品の製造ばらつきもあるため、個体によって電圧値は前後します。
耐圧450V以上の配線材であれば問題ないでしょう。
苦労した点2(シャシー加工)
次に苦労した点はシャシー加工です。
書籍では小さい穴をドリルで開け、ニッパーで切り、ヤスリで形を整えるやり方を紹介されています。
このやり方でも穴は空けられますが、私の場合は円がいびつな形になりました。また、板厚が薄くてもそれなりに時間が掛かりました(ヤスリがけ大変)。
私はホルソーを使って穴を空けるやり方を推奨します。
トランス部分、ACインレットの円形以外は、小さなドリルで隅に穴を開け金鋸で
カットする方法がオススメです。
私はこれを使いました。天板が薄いのでこれで十分です。
代替え部品について
今回アンプをDIYするにあたり以下2つを重要視しました。
- 製作コストを下げる事
- 入手し易いこと
この書籍は初版が2014年であり、現在とは部品入手のし易さにギャップがあります。
まず、真空管が部品表の価格で手に入れることが難しい状況です。
各部品、年々値段が上がっています。
Sovetekの真空管は値段が高く、私は入手のし易さ価格面から
JJ Electronicの真空管を使用しています(それでも昔に比べれば高い)。
またJJは各真空管のスペックシートも充実しています。
整流管の5AR4ですが、これも数が少なく値段も高いためGZ34Sに変更しています。
同じくJJ-Electronic製、パワー管6V6GTも互換品の6V6S JJ-Electronic製に変更。
電解コンデンサについてです。
書籍の実態配線図の電解コンデンサはチューブラー型の電解コンデンサーが使用されています。
横軸方向(アキシャル方向)に線が出ているタイプ。
↓赤色で囲われたタイプの物です。
基盤に実装し易い縦型が主流になり、チューブラー型は取り寄せ、値段も高めです。
私のアンプは縦型電解コンデンサを使用。
コスト重視です。
以上が代替え部品の紹介でした。
今回は入手し易さ、コストから代替え部品を選定しました。
予算に余裕のある方はチューブラー方や高価な部品を選定するのもありだと思います。
製作コスト
今回の部品代がおよそ¥8,000でした。
ここにプラスして
- 電源トランス
- アウトプットトランス
- 真空管(プリチューブ) 12AX7
- 真空管(パワーチューブ)6V6GT or 6V6S
- 真空管(レクチファイヤーチューブ)5AR4 or GZ34S
の部品代が必要です。
現在部品を揃えるとなると¥20,000は超え、¥30,000付近になるのではないかと思います。
部品表の予算¥17,000は現状難しい状況です。
まとめ
この記事では、私が苦労した事、代替え部品、製作コストについて紹介しました。
まとめです。
- 抵抗器・コンデンサのスペックはよくよく確認して購入する
- 部品でわからない事が有れば丁寧にお店に相談(今後長いお付き合いになるかも)
- シャシー加工はホルソー、金鋸を私はおすすめします
- 部品が入手できない場合は代替え品で対応する柔軟性が必要
- 部品価格は年々上がっている、書籍の制作費¥17,000は現在厳しい
最後まで読んで頂きありがとうございます。
今後は、このChamp Cloneを供試体として回路のしくみを分析していく計画なのですが、このアンプは空中配線や配線が煩雑なため、今後分析していく過程で使い勝手が悪いと感じており配線を整理した2号機の製作を行っています。
↓初号機の煩雑・空中配線の写真
次回はその製作過程を紹介しようと思います。
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